対象製品
紙図面をスキャナで取り込んだデータを図脳CADで読み込むには、「スキャナで取り込んだデータを画像(ラスタ)として図面に重ね合わせる方法」と、「CAD要素に変換して読み込む方法」があります。
画像(ラスタ)として図面に重ね合わせる方法
[ラスタ]-[ラスタ挿入]-[ファイル読込]コマンドで、現在開いている図面に画像(ラスタ)として読み込むことができます。
ラスタとして読み込み可能なファイルは、TIFF形式(無圧縮)、BMP形式、JPEG形式、SCI形式、CALS Type1形式です。(「図脳RAPIDPRO」の場合は、PDF形式も読み込み可能です)
- ラスタデータとは、スキャナを使用して紙図面を電子化した画像データのことです。CADで作図した要素とは異なり、小さな点の集まりで表現されたデータです。図脳CADは、その「ラスタデータ」と、CADで作図した要素「ベクタデータ」を重ね合わせた状態で図面が作成できます。
- 「図脳RAPID」で読み込めるラスタデータのサイズはA3までです。A3よりも大きいサイズのデータを読み込むためには、「図脳RAPIDPRO」が必要です。
図脳RAPIDの場合
- スキャナで紙図面をスキャンし、保存します。
・TIFF形式で保存する場合は、無圧縮状態で保存します。 - 図脳CADを起動します。
- [ラスタ]-[ラスタ挿入]-[ファイル読込]コマンドをクリックします。
- [ラスタ読み込み]ダイアログボックスが表示されます。
ファイルを選択して[開く]ボタンを押します。
・[配置位置指定]にチェックを付けると、配置位置の指定やラスタの大きさ(長さ、高さ)、向き(角度)などを任意に指定して読み込めます。 - ラスタファイルがグレースケールやカラーの場合は、[しきい値の設定]ダイアログボックスが表示されます。必要な項目を設定して[了解]ボタンを押します。
・[しきい値]欄でラスタのしきい値を設定します。数値が小さいほど、より明るい部分まで「黒」と認識します。数値が大きいほど、より暗い部分まで「白」と認識します。数値は0~255の値を入力します。 - 現在開いている図面にラスタデータが読み込まれます。
・手順4で[配置位置指定]にチェックを付けた場合は、配置点を指示します。
図脳RAPIDPROの場合
- スキャナで紙図面をスキャンし、保存します。
・TIFF形式で保存する場合は、無圧縮状態で保存します。 - 図脳CADを起動します。
- [ラスタ]-[ラスタ挿入]-[ファイル読込]コマンドをクリックします。
- ファイルを選択して[開く]ボタンを押します。
- [ラスタ読み込み]ダイアログボックスが表示されます。
必要な項目を設定して[了解]ボタンを押します。
・[配置位置指定]にチェックを付けると、配置位置の指定やラスタの大きさ(長さ、高さ)、向き(角度)などを任意に指定して読み込めます。 - ラスタファイルがグレースケールやカラーの場合は、[しきい値の設定]ダイアログボックスが表示されます。必要な項目を設定して[了解]ボタンを押します。
・[しきい値]欄でラスタのしきい値を設定します。数値が小さいほど、より明るい部分まで「黒」と認識します。数値が大きいほど、より暗い部分まで「白」と認識します。数値は0~255の値を入力します。つまみの上でマウスの左ボタンを押したまま動かして、プレビュー表示を確認しながらしきい値を調整します。 - 現在開いている図面にラスタデータが読み込まれます。
・手順5で[配置位置指定]にチェックを付けた場合は、配置点を指示します。
- 読み込み後のデータは、[ラスタ]メニューのコマンドでのみ編集が可能です。
- ラスタデータを、ラスタとして読み込むのではなく、画像として貼り付けたい場合は、[作図]-[画像貼り付け]コマンドを使用します。詳しくは「JPGやBMPなどの画像データを貼り付けるには」をご参照ください。
CAD要素に変換して読み込む方法
たとえばTIFF形式のデータの場合は、[ファイル]-[ファイル入力]-[TIFF形式]コマンドで、ベクタに変換して読み込むことができます。
このコマンドで読み込み可能なファイルは、白黒2値(モノクロ2値)のTIFF形式(無圧縮)です。
- スキャナで紙図面をスキャンし、保存します。
・TIFF形式で保存する場合は、白黒2値(モノクロ2値)の無圧縮状態で保存します。 - 図脳CADを起動します。
- [ファイル]-[ファイル入力]-[TIFF形式]コマンドをクリックします。
- ファイルを選択して[開く]ボタンを押します。
- [入力:TIFF形式]ダイアログボックスが表示されます。
必要な項目を設定して[了解]ボタンを押します。
・[細線化]にチェックを付けると、イメージ上のすべての線が太さ1の線画となります。
・[直線化許容誤差]は、1本の線分であるかどうかの判断に使用され、イメージ上のドット数で指定します。指定したドット以内で近接している線分を1本の線分に接合します。
・[図面縮尺]で、読み込むイメージの縮尺が、あらかじめ何分の1であるかの指定を行い、読み込み結果を実寸に合わせます。
・[オフセットX]原点から実際に読み込むイメージの左下基準点までのX方向距離を指定します。
・[オフセットY]原点から実際に読み込むイメージの左下基準点までのY方向距離を指定します。 - TIFF形式のラスタデータをベクタデータに変換した図形が表示されます。
- TIFF形式のラスタデータ(イメージ画)をCAD内部で使用するベクタデータ(線画)に変換しながら読み込みます。したがって読み込み後のデータは、「線分」などとして他の図形と同様、[編集]メニューのコマンドで自由な編集ができます。
- 入力可能なTIFFファイルは、白黒2値の無圧縮状態のファイルのみです。また、この画像ファイル容量の約8倍のメモリを実装している必要が有ります。
- このコマンドはソフトウェアのみで実現しており、特に細線化を行う場合には時間がかかることがあります。
- 読み込み中に右クリックするか、[ESC]キーを押すことにより、読み込みが中断できます。
- BMP形式のデータの場合は、[ファイル]-[ファイル入力]-[BMP形式]コマンドで、ベクタに変換して読み込むことができます。操作手順などは[ファイル]-[ファイル入力]-[TIFF形式]コマンドと同じです。